1932年 東京宝塚劇場の創立

東宝・宝塚歌劇
1934年 1月1日、東京宝塚劇場が開場。

 小林一三は、宝塚少女歌劇の東京公演のために、日比谷での劇場建設にとりかかる。1932年、東京丸の内の中央電機倶楽部で創立総会を開き、株式会社東京宝塚劇場を設立。一三自ら社長の座に就いた。

幸ひ日比谷公園の前、帝国ホテルの横に、東電の所有地千二百坪の売地があつたので、これを買受け、ここに大劇場を新築することに決心した

 「東電」とは、当時、一三が副社長となって会社の立て直しを図っていた「東京電灯(東京電力の前身)」のこと。東京電灯は、合理化策の一つとして本社屋の建設を予定していた土地を手放す。この特別なチャンスを見逃さず、一三はその土地を買い取った。この英断により、一般には手に入らないような都心の一等地での劇場建設が可能となった。

 翌年、新劇場の開場に備えて新しく星組を編成し、1934年、東京宝塚劇場が開場。前年に宝塚大劇場で好評を得た、白井鐵造のレビュー「花詩集」が幕開けを飾る。この時、小林一三が書いた賛歌「初夢有楽町(ハツユメ アミユヅメントセンター)」の一節が「朗らかに 清く 正しく 美しく」。これが今に受け継がれる宝塚歌劇のモットー「清く 正しく 美しく」となり、東宝のモットー「朗らかに、清く正しく美しく」となった。