1929年 阪急百貨店がオープン

ホテル・百貨店
1929年 大阪梅田に、阪急百貨店が開店。

 1920年、大阪・梅田駅に日本で初めての駅ビル、阪急ビルディングが竣工する。5階建てビルには、1階に東京日本橋から白木屋百貨店を招致して白木屋梅田出張店が開店し、食料品や日用雑貨を販売した。また2階には、阪急直営の洋食専門「阪急食堂」を開設する。
 白木屋の成功を引き継ぎ、1925年には阪急ビルの2~3階に自社直営の「阪急マーケット」を開業する。また阪急食堂は4・5階に移設して拡充した。この頃、小林一三は社員に向けて
「今のビルから南西に約二千坪が将来の百貨店ビル建築に当てゝある、諸君は差当たりこのチッポケなビルでマーケットを開くのであるが、将来二萬坪に近い、日本に類例のない大ターミナルデパートとして雄飛する準備時代であることを篤と自覚の上、大いに勉強して貰いたい。」
と大きなビジョンを語っている。
 1929年、梅田阪急ビル改築の第1期工事が竣工。地上8階・地下2階に大幅に拡張し、デパートメントストアと呼ぶに相応しい「阪急百貨店」が新装オープンした。「便利な場所なら暖簾なしで客が集まる」という一三の言葉通り、ターミナルデパートは盛況を極めた。この後、次々と建物を拡充し、一大百貨店へと変貌を遂げていく。こうした鉄道事業者による百貨店経営は、後に他の多くの私鉄会社に採用されるビジネスモデルとなった。

☞現在は「阪急うめだ本店」として大阪の北の玄関「梅田」のツインタワーズにて「阪神梅田本店」とともにたくさんのお客様をお迎えしています。